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・ 2025年5月9日

2025年を占う、デジタルマーケティング10の重要トレンド

2025年は、デジタルマーケティングにおいてエキサイティングな可能性に満ちた様相を示しており、先進的なAI技術、進化する消費者の嗜好、そして革新的なマーケティング戦略など多くの分野でビジネス躍進の機会が期待されています。

新年はもう間近に迫り、デジタルマーケティングのトレンドとテクノロジーは、驚異的なスピードで進化し続けています。2025年を迎えるにあたり、デジタルマーケティングの世界は、急速的な技術の進歩と変化する消費者行動を背景に、さらなる変革を遂げようとしています。企業が主要な顧客層を引きつけ、ロイヤルティを維持し、事業の成功を収めるには、常に時代の先を行くことが不可欠です。そして2025年は、ブランドが消費者と新しく、より意義深い方法でつながる多くの機会に恵まれるでしょう。ここでは、トップ10のデジタルマーケティングトレンドと、それらを今日から自社の戦略にいかにして取り入れ始めることができるか検証していきましょう。

1. AIと自動化はマーケティングをどのように変革するのか?

AI(人工知能)と自動化は、マーケティングにおいて不可欠なものとなりつつあります。超パーソナライズされた広告ターゲティングからリアルタイムのコンテンツ作成にいたるまで、最新技術は従来のプロセスを高効率化し、マーケターが創造性あふれた戦略立案に注力することを可能にします。チャットボットや自動化されたメールキャンペーンに留まらず、AIは予測インサイトやカスタマイズされたユーザー体験を提案し、広告キャンペーンの最適化をかつてないほどシームレスなものにするでしょう。

しかし、成功は最先端のスマート技術の導入にかかっているといっても過言ではありません。カスタムメディアが「コンテンツマーケティングでAIを効果的かつ倫理的に活用する方法」に関する当社の記事で指摘したように、これらのツールがもたらす利便性よりも、オーセンティシティ(真正性)と人間味のある「声」を維持することの方が重要です。2025年にAIマーケティングツールで成功を収める企業とは、人間の創造性をAIで置き換えるのではなく、その「声」を増幅させるためにChatGPTやJasperのようなプラットフォームを利用する企業でしょう。コンテンツのパーソナライゼーション、SNSのスケジューリング、リードスコアリングといった反復的なタスクには、AIを活用しましょう。テクノロジーが骨の折れる作業を担ってくれれば、マーケターは人間のクリエイティビティやイノベーションに注力できるようになります。

2. なぜプライバシー優先のマーケティングが競争優位性となるのか?

データプライバシーの重要性がかつてなく高まっている現代において、プライバシーファーストの戦略はデジタルマーケティングの基礎となりつつあります。2025年には、企業は信頼性を確立するため、プライバシーファースト戦略に一層力を入れる必要があるでしょう。これらは、特に日本市場で事業を展開する国際企業にとって重要です。透明性のあるデータ慣行とユーザーの同意は必須な要件となり、また、高度な暗号化や匿名化ツールなどを含むプライバシー強化技術(PETs)は、ますます懐疑的になる市場において信頼性を構築するために不可欠となるでしょう。

カスタムメディアでは、これらの課題に取り組む、数多くのサイバーセキュリティ関連のクライアントと協業しています。Transmit Security社は、顧客ID・アクセス管理(CIAM)において、ユーザーのスムーズな利便性を維持しつつ、より堅牢なサイバーセキュリティ対策への道を切り開いています。同様に、Zscaler社が展開するクラウドベースのソリューションは、ブランドがいかに顧客満足度を損なうことなくデータ保護を優先する必要があるかを示す好例です。2025年の成功は、企業がパーソナライゼーションを犠牲にすることなく、プライバシー対策を統合できるかにかかっています。これらのイノベーションを上手に活用できるマーケターは、プライバシー意識の高まる消費者から絶大の信頼を得ることになります。

3. なぜ持続可能性はブランド・アイデンティティにとって不可欠なのか?

2024年、富士山の山頂は130年ぶりに10月を通じて積雪の無い状態でした。世界中で環境への懸念が高まっており、2025年に向けてサステナビリティはブランドメッセージングにおける決定的な要因となるでしょう。消費者はますます環境に配慮した実践を優先し、約束よりも行動を求めています。事業運営にサステナビリティの問題を真摯に取り込む企業は、自身の価値観に沿った企業をより支持する傾向にある、倫理観の高い消費者の注目を集めるでしょう。

行動は言葉よりも雄弁です! ビジネスの成功を収めるため、企業はサステナビリティを単なる流行語(バズワード)として扱うのではなく、企業理念の根幹と日々の事業活動に深く根付かせていく必要があります。サステナビリティへの真摯な取り組みを伝える企業は、より強固な消費者の信頼とブランドロイヤルティを築き、市場での長期的な優位性を一層強固なものにするでしょう。

4. いかにしてシームレスなオムニチャネル体験を実現できるのか?

オムニチャネルとは、カスタムメディアが森ビル様と16年間にわたり実践してきたように、デジタルとフィジカル双方の様々なチャネルを通じて、一貫性のある統合された顧客体験を提供することを指します。今日、顧客はデジタル、フィジカル、そしてハイブリッドのあらゆるチャネルを通じて、シームレスなインタラクションを期待しています。2025年に必須となるのは、顧客の趣味、嗜好、行動、データをもとに、全てのプラットフォームで一貫性を保つ、統一された体験を創出することです。これを実現するため、企業は顧客データプラットフォーム(CDP)などのツールを活用し、様々なタッチポイントのデータを一元化し、統合する必要があります。これにより、パーソナライズされた、関連性の高い体験を顧客に提供できるようになります。

マッキンゼーは今年、シームレスなオムニチャネル体験が顧客層の獲得と維持の鍵であると報告しています。同社のB2Bに関する調査(B2B Pulse Survey)によると、回答者の半数以上が真のオムニチャネル体験を望んでおり、複数のタッチポイントでスムーズな体験が得られない場合、サプライヤーを乗り換える可能性が高いことを示唆しています。最も頻繁に利用される上位3つのタッチポイントは、企業のウェブサイト、対面販売、そしてビデオ会議を介したインタラクションとなっています。

5. 動画コンテンツはなぜ依然として有効なのか?

動画の勢いが衰える気配は全くありません。今後も、単なる静的なフォーマットを超えて進化し続けるでしょう。ショッパブル動画、ライブストリーミング、インタラクティブウェビナーが主流になると見込まれており、視聴者により深いエンゲージメントとブランドへの没入感を提供します。これらのフォーマットは、ユーザーがリアルタイムでコンテンツを体験できるようにすることで、よりパーソナライズされた、魅力的な体験を創出し、消費者に永続的なインプレッションを残すことになるでしょう。さらに、AIによる動画コンテンツも進化を続けており、高品質な動画を大規模に生成することが、多くのマーケターの「武器」となるでしょう。OpenAIのSORAはすでにAI生成動画の機能向上に着手しており、今後は、消費者が購入決定を下す前に、はるかに多くの動画コンテンツに触れることになるでしょう。そのため、他社と差をつけるため、企業やブランドは創造性とインパクトのある物語(ナラティブ)の作成に注力し、自社のコンテンツが際立つよう工夫することが不可欠となります。

記の通り、動画コンテンツを自社の強みとして活かす方法を習得することが、今後は不可欠となります。カスタムメディアCEOであるロバート・ヘルトは、コンテンツマーケティングに関するウェビナーを開催しました。これにより、視聴者との繋がりを築き、リアルタイムでのやり取りを可能にすると同時に、組織内の主要な意思決定者を、この分野のソートリーダーとしてPRするのに特に有効です。貴社ブランドも同様に動画コンテンツを活用し、消費者とのより強固な繋がりを築く方法をぜひご検討ください。

6. データ主導のクリエイティビティは、いかにして「勝てる」キャンペーンを生み出すのか?

2025年、クリエイティビティとデータはもはや対立するライバルではなくなります。マーケターは、高度な分析と予測インサイトを活用し、革新的であるだけでなく、消費者のニーズに戦略的に合致したキャンペーンを創出することでしょう。アカウントベースドマーケティング(ABM)は、特にB2B分野において、このクリエイティビティとデータの調和を実現するうえで、主要な戦略となりつつあります。ABMによって、企業は価値の高いクライアントに対し、高度にパーソナライズされ関連性の高いメッセージでアプローチし、より深いエンゲージメントを促進、コンバージョン率を向上させることができます。

「日本におけるABM戦略の徹底解説」に関する弊社の記事で示したように、マーケティング活動を特定のクライアントに合わせて最適化することは、特に日本のような複雑な市場においてROIの大幅引き上げに貢献します。データドリブンなインサイトを統合し、営業とマーケティングの部門間を連携させることで、企業は個々の見込み客のニーズに直接応える、カスタマイズされたコンテンツやキャンペーンを作成できます。測定可能な結果を提供するその能力により、ABMは2025年の主要なトレンドになると見込まれており、企業が最も価値のあるクライアントとより強固な関係を構築するのに貢献するでしょう。

7. 音声検索に向けて、企業・ブランドはどう準備すべきか?

世界の音声認識市場は、2025年までに268億ドルに達すると予測されており、音声検索向けのコンテンツ最適化はSEO戦略において不可欠な要素となるでしょう。従来の検索クエリとは異なり、音声検索はより会話的な傾向があります。そのため、マーケターが2025年に競争で優位に立つためには、自然言語処理(NLP)戦略を優先する必要があります。ブランドは、質問に直接的に答え、より自然な言葉遣いや「声」のトーンを用い、音声検索アルゴリズムに最適化されたコンテンツを作成する必要に迫られるでしょう。

この技術が成熟するにつれて、音声検索のパターンを理解し、それに適応する企業は、今後も競争上の優位性を維持し続けるでしょう。会話型インターフェースへの移行は、コンテンツを消費者の意図に最適化し、企業ブランドをこれまで以上に親近感が高く、エンゲージしやすいものにする絶好の機会を提供します。

8. 2025年におけるカンバセーショナル・マーケティングの役割とは?

AIチャットボットやライブメッセージングプラットフォームといったツールに支えられ、カンバセーショナル・マーケティングは、リアルタイムでパーソナルな顧客との対話(インタラクション)への高まる需要に応えようとする企業にとって、極めて重要な戦略となっています。チャットボットやライブチャット機能は、即時サポートを提供することでユーザーをカスタマージャーニーに沿って誘導し、簡単な問い合わせは迅速に解決する一方、より複雑な問題は人間の担当者へと引き継ぎます。これは、顧客満足度を向上させ、購入にいたるまでの障壁を解消するために、とても非常に重要です。

アドバニス社とサイトコア社による2024年9月の調査によると、世界のマーケターの38%が、デジタル体験を向上させるうえで、最も影響力のあるAI活用事例としてチャットボットを挙げています。2025年を見据え、企業は「よくある質問(FAQ)」や基本的な問い合わせに対応するため、AIチャットボットを導入し、カンバセーショナル・マーケティングを活用すべきです。そして、チャットボットの「声」が自然で魅力的に聞こえるようにすることも忘れないでください。ユーザーが大切にされ、理解されていると感じられるようにすることが肝心です。

9. インタラクティブ・コンテンツで、より深いエンゲージメントを生み出す方法? 

クイズ、投票、計算ツールといったインタラクティブ・コンテンツは、注目を集め、記憶に残るブランド体験を生み出す有力な手段として注目を集めています。2025年には、インタラクティブ・コンテンツはさらに進化・拡大し、消費者は、企業・ブランドと斬新かつ楽しい方法でエンゲージできるようになるでしょう。このアプローチは消費者の嗜好に関する貴重なインサイトをもたらすため、企業は将来のキャンペーンをより効果的に最適化し続けることが可能になります。

ウェブサイト、ソーシャルメディア、Eメールキャンペーンにインタラクティブな要素を組み込むことで、企業はエンゲージメントを高め、コンバージョンを促進することが可能になります。カスタムメディアでは、このアプローチをグリーンピース様との協業で活用し、サステナビリティキャンペーンにおけるエンゲージメント向上を目的として、ゲーミフィケーションを取り入れたアンケートを実施しました。この種のインタラクティブコンテンツは、消費者に楽しい体験を提供するだけでなく、企業が重要なデータを収集し、オーディエンスとのより強固な繋がりを構築するための手段も提供します。

10. AR、VRは、デジタルエンゲージメントをどのように変革するのか?

2025年には、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は、単なる目新しさの段階から、マーケティング戦略における不可欠な要素へと進化するでしょう。バーチャルな製品試作から没入型のブランドストーリーテリングにいたるまで、これらの技術は、企業がオーディエンスとより深いレベルでエンゲージするための新たな方法を提供するでしょう。特にARは、マーケティング分野のみならず、私たちの日常生活においても、今後ますます中心的な役割を担っていくでしょう

2025年は、記憶に残るインタラクティブな体験を創出し、新しいオーディエンスの開拓・リテンションを目指す企業にとって、AR、VRは鍵となるツールになります。仮想空間で製品や体験に命を吹き込むことは、今後競争で優位に立つために重要な戦略となるでしょう。

デジタルマーケティングに関して、よくある質問(FAQ)

Q. 2025年に優先すべきマーケティングチャネルは何ですか?

デジタル、フィジカル、そしてハイブリッドな体験を統合し、シームレスなカスタマージャーニーを実現するオムニチャネルプラットフォームに注力しましょう。

Q. 中小企業が予算をかけずにAIを活用するには、どうすればいいですか?

まずは、自動化やコンテンツのアイデア創出に役立つ無料または低コストのツールから始めましょう。ChatGPTやCanva AIといったプラットフォームは、その良いスタートとなります。

Q. 今でも動画に投資する価値はありますか?

はい、もちろんです。動画コンテンツは、エンゲージメントと信頼感をより高めます。特に日本のように、ビジュアルストーリーテリングが共感を呼ぶ市場において、その効果は絶大です。

Q. 日本の消費者の信頼を得るには、どのような方法が最も効果的ですか?

透明性を最優先し、メッセージを日本市場に合わせて最適化しましょう。派手なキャンペーンに頼り過ぎるのではなく、サービスやサステナビリティを通じて真の価値を示すことが重要です。

Q: 日本市場において音声検索によるマーケティングは重要ですか?

はい。ますます会話型になり、モバイルファースト化が進む検索トラフィックを獲得するために、自然な言葉遣いや地域独自の表現に合わせて最適化しましょう。


おわりに

デジタルマーケティングの未来は、テクノロジー、パーソナライゼーション、そして真実性(オーセンティシティ)が交差する場所に存在します。成功の鍵は、ブランドのアジリティ、フレキシビリティ、そして革新への意欲にかかっています。これらのトレンドを受け入れ、先進的な考え方を取り入れることで、企業は、絶えず変化し競争が激化するグローバル市場において、オーディエンスとより深い関係を築き、長期的な信頼を構築することができるでしょう。

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作者

  • Christina Craig
    Writer & Editor

カテゴリー

  • AI / Technology / SaaS
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  • Clean Energy
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